問題化した社員対策

問題化した社員対策

問題社員とは

最近、問題社員という言葉をよく見聞きします。問題社員はまたシュガー社員やモンスター社員といった言い方もするようです。

 

シュガー社員と言われる労働者の特徴として次のようなことが挙げられています。

  • 突然何の連絡もなしに会社を辞める。
  • 仕事場で叱責すると、親が会社に来て抗議する。
  • 定刻通りに出勤しない(時間にルーズ)。
  • 会社よりもプライベートを優先し、業務に支障をきたす。
  • 自立心が乏しいわりに、自信過剰である。
  • 退職のリスクが高く、会社の方針に従わない場合や業務をこなせない場合は、退職勧奨を受ける。

※Wikipediaより抜粋

 

ちなみにモンスター社員とは、会社の待遇や福利厚生に少しでも不満が生じると、すぐに本人やその親が会社に不服を述べる、権利意識が過剰な労働者を指す言葉のようです。

 

以上のような定義づけからすると、問題社員というのは、「自己中心的で身勝手、社会や会社のルールに対する認識が甘い半面、自らの権利や立場が少しでも侵害されると本人やその親がすぐに会社に不平不満を述べる、労働生産性の低い労働者」とでもいうことができるでしょう。

本当は問題社員はいないはず?

しかし、よくよく考えてみると、この問題社員という言い方には少々疑問を感じます。
そもそも、事業主は、労働者を採用する時点において、だれを採用して誰を採用しないかを選択する自由を有しています。
また労働者を採用する場合であっても、いきなり正社員として採用せずに、最初は有期雇用にするなどして、労働者の適性を見極めたうえで、本採用するなどのリスクヘッジをすることもできます。

 

そうすると、会社が労働者を採用するときに、手続きを厳格にかつ慎重に行うことによって、問題社員を排除することはある程度可能ではないかと考えられます。

 

そうであるならば、問題社員というのは、会社が労働者の採用を慎重にかつ厳格に行わなかった結果、会社に紛れ込んでしまったということで、第一義的には社印に問題があるというよりもむしろ会社に問題があるといえるのではないでしょうか。

 

このように考えると、会社が労働者を採用するときは、手続きを厳格にかつ慎重に行う必要があります。
中小企業の中には、人材不足から、簡単な面接のみで労働者を採用している例が散見されます。会社にとって人材は人財にもなりまた人罪にもなります。

 

社長さん、労働者の採用、間違っていませんか?

問題化する社員

問題社員が生じるもう一つの理由は、これまで問題がなかった社員が社内で問題化することです。

 

これには色々原因があるとは思いますが、一番の原因は、社内でのその労働者と社長あるいは上司とのコミュニケーションが不足していることにあるのではないかと考えられます。

 

以前、私があるトラックドライバーの依頼を受けて、そのドライバーが前に勤めていた会社に対して裁判所の労働審判手続を利用して行った残業代支払い請求のお手伝いをした時、審判廷で専務である会社の社長の奥さんが審判官らに対してこう話したそうです。
「従業員は家族同然だと思っていた。だから残業代を請求されてびっくりしているし悲しい。」

 

従業員がは家族同然だというのであれば、親が子に接するときと同じように、会社の社長や上司らが労働者に対して、積極的に話しかけたり話を聴いたりするなどして、コミュニケーションを取ってしかるべきではないでしょうか。

 

そのトラックドライバーから聞いたところによると、社長は月に一度の会議で従業員に小言を言う程度で、日ごろ話をすることはあまりなかったということでした。

 

もっとも、このドライバーが会社を辞め会社に対して残業代の支払いを請求するきっかけになったのは、そのドライバーが起こした物損事故でした。
事故の原因は確かにドライバーの過失もあるのですが、それ以上に荷主の指示に従って作業を行っていた時に起こってしまったという側面もあり、一義にそのドライバーの責任ということではありませんでした。
しかし、会社はそのドライバーを事故後下車処分にして構内作業に従事させました。しかも社長も厳しく叱責したようです。

 

残業代の支払いを会社に請求する労働者が問題社員ではありません。残業代を支払っていないとすれば、法律という規範に照らせば、それは会社に問題があるのですから。
ただし、労働者が社内で問題化する場合の原因として上に挙げた事例は参考になるのではないでしょうか。

 

つまり、@労働者とその上司または社長との間のコミュニケーションがうまく取れていない、A労働者の失敗に対して叱責するだけでそれ以上のフォローができていない。Aは労働者の失敗という場合だけではなく、その労働者の精神上の安定を阻害する原因となる仕事上あるいは私的な出来事もあるでしょう。

 

労働者が問題化しないためには、その上司や社長が積極的にコミュニケーションを図ることを考慮すべきではないでしょうか。

それでも問題社員が、というときは

そうはいっても現に問題社員がいて、対応に苦慮している、という会社の社長さんもおられるでしょう。

 

このような場合の対策は、2つしかありません。

 

ひとつは、その問題社員を社内で指導・教育を徹底してかつこれまで以上に積極的にコミュニケーションを図るなどして、問題社員を問題のない社員に変えていく。このとき可能であれば、適材適所という観点から配転をする。

 

もうひとつは、問題社員に会社を辞めていただく。

 

問題社員対策としては、可能な限り社内での指導教育や配転などにより問題のない社員化を図っていくべきです。
ただし、会社として売上に貢献できない人やモノをいつまでも会社内に抱えておくことはできないということもあるでしょう。どこかの時点で決断しなければならないこともあります。
こういった場合には、問題社員には辞めていただくよりほかはありません。
辞めていただくというのは、解雇する、ということではありません。会社として法的に意味のある退職勧奨(=すなわち労働契約の合意解約の申し入れ)を行うということです。

 

もちろん、問題社員とはいえそこは人間ですから、生活があります。したがって会社を辞めていただくためには、それなりの条件を用意しなければなりません。
具体的には、退職に応じていただくのであれば、賃金の数ヶ月分を慰労金という形で支払うとか、再就職の支援を行うなどの労働者が退職勧奨に応じやすい条件を用意することです。

 

もし会社が労働者に対して条件を提示して退職勧奨を行った時に、会社と労働者との間で条件面でなかなか折り合いがつかず、交渉が難航するようであれば、社会保険労務士会労働紛争解決センターなどのあっせん制度を利用することを検討してみるべきでしょう。会社からあっせんを申立てて、あっせん員に労働者との間を取り持ってもらう形で、合意形成を図ることを検討してみることも悪くはありません。


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