労使トラブル解決!会社側からのあっせん申立て

労使トラブル解決!会社側からのあっせん申立て

より早く、より安く、裁判外のあっせんで労使トラブルの解決を図る!

労使トラブルの解決というと、ほとんどの場合で、労働者が会社(事業主)に対して、個別労働関係紛争解決制度である、裁判外の各都道府県にある労働局のあっせん申請や社労士会労働紛争解決センターのあっせん申立て、裁判所の労働審判手続き申立てや訴訟の提起等といった方法で行われます。
この場合会社は常に受け身であり、労働局等からのあっせん開始通知や、裁判所から期日呼出状等を受け取ってから対応することになります。
しかし、労使トラブルの場合、労働者がいきなり会社を相手に、裁判外のあっせんを申請したり、裁判所に労働審判手続を申立てたりすることはありません。通常は、労働者から会社に対して、直接的(多くの場合は文書による)に何らかの要求(多くの場合で、賃金や慰謝料等の金銭の支払いを請求)があり、これに対して会社が労働者の要求のすべてに応じない態度を示しているか、労働者の要求の一部にしか応じない態度を示しているときに、労働者が客観的第三者に、判断を仰ぐ、又は当事者間の隔たりを調整してもらう目的で、あっせんや労働審判といった制度を利用します。そうすると、会社は、労働者からの請求を受けた後の労働者に対する会社からの回答をなすときに、労働者の請求内容や請求方法、請求書等文書による請求の場合にはその文書の記載などから、労働者が次にどういった態度に出てくるかは、大雑把にせよ予測できるはずです。

 

ところで、労使トラブルは、労働者が会社に対して途中で請求行為を諦めない限り、会社の賃金不払い等の場合に労働基準法や最低賃金法といった絶対的強行法規でその支払いが強制される場合を除いては、ほぼ9分9厘の確率で、会社が労働者に対して、解決金名目の和解金を支払うことで、和解による紛争の解決が図られます。
注意を要するのは、会社が労働者との間で和解により労使トラブルの解決を図るのは、単に労働者の会社に対する請求が法に照らして正当だからという理由だけではなく、究極的な紛争の解決方法である裁判所の訴訟による労働者と会社との間の権利義務の確定というところまで労使トラブル解決がもつれた場合に、会社が負担することになる費用が小さくはなく、その費用負担を考慮すれば、労働者の会社に対する請求について法を厳格に適用した場合には理由がないという裁判所の判断が予想される場合であっても、その辺りを曖昧にしたまま、比較的短期間のうちに和解した方が、より多くの費用負担を逃れられるという理由があります。ここでいう費用とは、訴訟を維持するための弁護士費用だけではありません。会社の従業員の中には、紛争解決という非生産的な業務のために、通常業務を中断しなければならない日や時間が生じます。また、会社が労働者と係争中だということが世間一般に知れ渡ることで、会社の社会的信用を失墜させることもあります。
そして、会社が敗訴した場合には、会社は労働者に対して、過去に遡って賃金を支払うことや、損害賠償(逸失利益や慰謝料)を支払うことといった、法的義務を負うことになります。
そうすると、労使トラブル解決にかかる費用を総合的に勘案すれば、会社として多少理不尽なことがあったとしても、早期に和解により紛争の解決を図る方が、費用をより低く抑えることができるということになります。

 

会社に、労働者との労使トラブルを、和解により早期に解決を図ることに総合的な観点から利益を見出す(=費用を最小限に抑える)ことができるのであれば、労働者からの請求に対して、まず直接的な和解交渉で解決を図れないか、検討すべきです。そして、直接的な交渉では解決を図れないときは、労働者からの次の一手を待つまでもなく(労働者の次の一手が会社にとって厄介な手を焼く手かもしれません)、会社から積極的に裁判外のあっせん制度を利用した紛争解決を検討すべきではないでしょうか。会社から積極的にあっせん制度を利用した紛争の解決を図るとは、つまり会社からあっせんを申請(申立て)して、会社に労働者からの請求に応じる義務がない、あるいは一部しか応じる義務がないことを主張した上で、譲歩できる余地があれば譲歩できる範囲で譲歩して、和解により解決を図るということです。この場合の会社からのあっせん申請(申立て)は、民事訴訟的には、債務不存在確認(地位不存在確認)に準じたものとなります。したがって、あっせん申請書(申立書)等に記載すべき内容も債務不存在確認請求の訴状に記載すべき事項に準じる内容となるでしょう。

 

会社があっせんにより労使トラブルの解決を図るメリットは次のようなものが考えられます。

  • 比較的短期間に解決できる
  • 手続きが簡単
  • 手続き費用が安い
  • 必ずしも弁護士等の法律家に依頼する必要性が低い
  • 解決金が裁判所の労働審判や訴訟などの裁判上の和解の場合と比べて低い

あっせんは、話し合いの期日が原則1日限りです。またあっせんを申請(申立て)してからあっせんの期日まで通常は1か月程度です。
あっせんの申請や申立は、あっせん申請書やあっせん手続申立書に必要事項を記載して、あっせん機関に提出すればそれで足ります。裁判所の労働審判や訴訟では、申立書や訴状の原本の他に所定の数の副本を用意しなければならず、また事業主が法人の場合法人登記簿の謄本(履歴事項証明書等)が必要となり、その他にも書証等の証拠がある場合には各所定の数用意しなければならず、証拠説明書も必要になります。対してあっせんの場合、簡単に済ませようとするのであればA4用紙1枚のあっせん申請書(申立書)の所定の様式に@当事者について、A事件の概要およびどういった解決を希望するのか、B紛争の経緯、C他の紛争解決制度等の利用状況(労働局のあっせん申請書の場合)、以上を簡潔に記載すればそれで十分です。

 

 

 

 

 



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